情報通信技術(ICT)の急速な進展により、ブロードバンドや携帯電話のサービスは多様化し、電子メールやウェブサイトの閲覧など従来から利用可能なサービスに加え、テレビ電話、音楽やビデオなどの配信サービス、インターネット・ショッピングやブログといった生活面での利用とともに、電子入札、電子申請などの行政サービスの促進、観光情報の発信や物産販売等の地域活性化の促進に活用されています。
さらには、遠隔医療や医療情報の共有による過疎集落における医師不足対策としても期待されるとともに、災害発生時の非常連絡、情報収集の手段として、その重要性がますます増しています。
このように、ブロードバンドや携帯電話は、生活の利便性の向上、地域経済の発展、そして行政サービスの向上など、豊かで安心して暮らせる市民生活の実現に必要不可欠なものとなっています。
本市における情報通信基盤の整備については、平成12年(2000年)3月に「広島市情報化基本計画」を策定し、民間主導により市内の情報通信基盤整備を進めてきました。その結果、本市におけるブロードバンド及び携帯電話のサービスの世帯カバー率はいずれも99.9%以上となり、ほぼ整備は完了しています。しかしながら、安佐北区や佐伯区の山間部の一部に、依然としてブロードバンドや携帯電話が利用できない地域が残っています。
こうした地域を解消するため、本市では、これまで継続的に事業者に対し地域の要望を伝えるとともに、整備について協議を進めてきましたが、採算性の問題から事業者による自主整備が進まない状況です。
このため、本市は、全市民がICTの恩恵を享受し、活力にあふれ、豊かで安心して暮らせる市民生活の実現のため、国が目標として掲げる平成22年度(2010年度)末までに、本市におけるブロードバンド・ゼロ地域及び携帯電話不感地域の解消を目指し、情報通信基盤の整備を推進していくため、「広島市デジタル・ディバイド※解消計画」を定めました。
※ デジタル・ディバイド: 携帯電話やブロードバンドなどの情報通信技術が利用できる地域と利用できない地域との間に生じている地域間の格差のこと
こわしくはこの下のページをご覧ください。
平成21年(2009年)2月
広島市企画総務局
情報政策部情報政策課
1 デジタル・ディバイドの解消に向けて
(1)ブロードバンドや携帯電話の必要性
情報通信技術(ICT)の急速な進展により、ブロードバンドや携帯電話のサービスは多様化し、電子メールやウェブサイトの閲覧など従来から利用可能なサービスに加え、多様なサービスが市民生活に浸透しつつある。
テレビ電話、音楽やビデオなどの配信サービス、インターネット・ショッピングやブログといった生活面での利用とともに、電子入札、電子申請などの行政サービスの促進、観光情報の発信や物産販売等の地域活性化の促進に活用されている。
さらには、遠隔医療や医療情報の共有による過疎集落における医師不足対策としても期待されるとともに、災害発生時の非常連絡、情報収集の手段として、その重要性がますます増している。
このように、ブロードバンドや携帯電話は、生活の利便性の向上、地域経済の発展、そして行政サービスの向上など、豊かで安心して暮らせる市民生活の実現に必要不可欠なものとなっている。
(2)デジタル・ディバイドの解消の必要性
ブロードバンドや携帯電話が利用できる地域では、これらを有効活用することより、地域生活水準の向上、地域経済の発展及び地方行政の効率化・高度化等の可能性を高めることができる。
しかしながら、山間部等の一部には、採算性等の問題から、事業者による自主整備が進まず、未だにブロードバンドや携帯電話が利用できない地域が残っている。全国の平成20年(2008年)3月末におけるブロードバンド・サービスが提供されていないエリアの世帯数(推計)は約90万世帯(1.7%)、携帯電話のエリア外人口(推計)は約30万人(0.2%)である。
現在、ブロードバンドや携帯電話を利用できる地域と利用できない地域との間において、享受できる便益には格差が生じており、この状態が続けば、さらに生活、経済面での地域間格差が拡大しかねない状況となっている。
このため、住民のICTの有用性に対する認識を高めつつ、ブロードバンドや携帯電話のサービス利用に係る地域間の情報通信格差(デジタル・ディバイド)を解消していくことが、地域の発展にとって喫緊の課題となっている。
国においては、このブロードバンドや携帯電話の利用にかかるデジタル・ディバイドを早期に解消するため、平成20年(2008年)6月に、「デジタル・ディバイド解消戦略」を策定し、平成22年度(2010年度)までに、ブロードバンド・ゼロ地域の解消と携帯電話エリア外人口約30万人のうち20万人の解消を目標に掲げ、その取組をより一層推進している。
↑上へ戻る
2 本市のデジタル・ディバイド解消について
本市における情報通信基盤の整備については、平成12年(2000年)3月に「広島市情報化基本計画」を策定し、民間主導により市内の情報通信基盤整備を進めてきた。
その結果、本市におけるブロードバンド及び携帯電話のサービスの世帯カバー率はいずれも99.9%以上となり、ほぼ整備は完了している。しかしながら、安佐北区や佐伯区の山間部の一部に、依然としてブロードバンドや携帯電話が利用できない地域が残っている。
こうしたブロードバンドや携帯電話が利用できない地域を解消するため、本市では、これまで継続的に事業者に対し地域の要望を伝えるとともに、整備について協議を進めてきたが、採算性の問題から事業者による自主整備が進まない状況にある。
今日、ブロードバンドや携帯電話は必要不可欠なものであり、全市民がICTの恩恵を享受し、活力にあふれ、豊かで安心して暮らせる市民生活の実現のため、国が目標として掲げる平成22年度(2010年度)末までに、本市におけるブロードバンド・ゼロ地域及び携帯電話不感地域の解消を目指し、情報通信基盤の整備を推進する。
(1)携帯電話不感地域の解消について
ア 携帯電話不感地域の状況
平成20年(2008年)4月時点においては、市域内の携帯電話不感地域の世帯数は約300世帯であったが、本市や地域住民からの働きかけにより、携帯電話事業者において携帯電話基地局などエリア拡大の自主整備が進められ、その結果、平成21年(2009年)6月には携帯電話不感地域の世帯数は表1のとおり約90世帯にまで縮小する見込みとなった。
しかしながら、これら約90世帯の地域については、山間の起伏のある地形に世帯が点在し、世帯数に比して整備コストが割高となり、採算性の問題から、携帯電話事業者による自主整備が見込めない状況である。
表1 携帯電話不感地域(平成21年(2009年)6月末見込み)
地域 | 世帯数 | |
---|---|---|
安佐北区 | 白木町大字市川の一部(栃谷) | 約10 |
可部町大字綾ヶ谷の一部(中綾ヶ谷、滑の上) | 約40 | |
佐伯区 | 湯来町大字多田の一部(小多田、大谷) | 約40 |
計 | 約90 |
図1 携帯電話不感地域位置図(事業者による整備計画のない地域)
!doctype>